フロー状態になるための考察(2)

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フロー状態になるための考察(2)

2016-02-22

前回のレポートに引き続き、社員が最高のパフォーマンスを発揮できる状態=「フロー状態」について考えてみた。



前回紹介したフロー状態の名付け親である心理学者、チクセントミハイがあげたフロー状態の10の要素;

1.明確で達成可能な目標

自分のスキルと能力と合致し、チャレンジとスキルの両方が高いこと。

2.完全なる集中

3.自己意識の消失

頭で思考したり、意識せずとも、意識がそのまま動作と合致している状態。

4.時間のゆがみ

時計の時間とは異なる、主観的な時間。行動するときは、時間は長くなり、多くのことをすることができるが、氣づくとあっとういう間に時間が過ぎている感覚。

5.直接的、即時的なフィードバック

自分の行動が即結果につながり、それを確認できる。

6. ポテンシャルを引き上げる能力とチャレンジのバランス

易し過ぎず、難しすぎない。

7. 状況のコントロール

自分が状況をコントロール(できる、やれる)している感覚。

8. 内発的な動機

外部からの報酬によるモチベーションではなく、内側から沸き起こる欲求(インスピレーション)。

9. 物質的、身体的な条件(ニーズ)の認識の欠如

成功するための学歴や社会的地位、知識、筋力、体力といった要件や条件の認識がない。

10. 中毒的とも言える没頭

それだけにのめり込むこと。



これは、弊社が提唱するバリュー・エンゲージメントの「価値観」から説明できる。

私たちにとってもっとも重要な価値観(最高価値)・・・つまり私たちにとって最も重要で、何よりも大切な、大好きなこと(工作作り、新規プロモーションの立案、子供の教育、ゴルフ等)をしている時、私たちは、それに「熱中し、没頭する」「時間が経つのが早く感じる」「より創造的になっていろいろなアイデアが生まれる」「上達が早い」といった特徴があり、それに取り組む理由や報酬は必要ない、それをやること自体が報酬であり、内発的な動機となっているものだ。



つまり、私たちが最高価値に取り組んでいる時は、フロー状態で見られる特徴と同じものがあらわれる。それは、私たちが最高価値をおいている分野では、フロー状態になりやすいことを意味するのである。 

だからこそ、社員には、彼らの最高価値に合致した業務をアサインすることが、社員の能力を大いに発揮させ、高いパフォーマンスにつながるわけだ。

ちなみに社員の最高価値に合致した業務とは、社員の最高価値と業務に肯定的な関連性の認識があるという意味だ。

ただし、ただ単に社員の最高価値に合致した仕事をアサインすれば、社員が勝手にフロー状態になって高いパフォーマンスを発揮してくれると考えるのは早計だ。

社員がよりフロー状態に入りやすくなるように工夫することが必要。

具体的には、業務を指示するときに明確な目標を伝えたり、社員の能力に見合った、背伸びをすれば届きそうなチャレンジを与えること、そして都度の直接的なフィードバック(評価)を忘れてはいけない。

さらには、社員を信頼して任せることだ。業務への介入、干渉はできるだけ避け、社員に決裁権を移譲すること。社員に業務のコントロール権をもたせて、やりたいようにやらせてあげることである。

フロー状態をつくる環境では、できるだけルールなどの制限は持たせないことも大事だ。

また、制限ではなく、容易にはいかないような高いハードルを持ったチャレンジは必要である。チャレンジがあることで、社員に従来とは異なるアプローチを試してみたいという想像力を誘発するからである。

さて、最高価値についてであるが、バリュー・エンゲージメントでは、実際に人生にあらわれている自分の行動の特徴を客観的に観察して、13の切り口から価値観の優先体系を明らかにするアプローチをとる。

例えば、私たちは価値をおくことにより多くの時間を費やすし、お金も使う。また、他人と会話するときは、自分が価値をおいている分野について話すものだ。

さて、こうした客観的な自分の行動を観察していくことで明らかになる価値観の体系で、最上位にあるものが最高価値となるのだが、フロー状態を生み出すには、表面的な価値観ではなく、当人にとって真に意味のある強烈なもの、当人がそれを真に納得するものでなくてはならない。

ところで私たちにとって真に意味のある価値観とは何だろうか?

それは、人生の究極の目的、生まれてきた目的、使命=天命ではないだろうか?

「天命」と書くと、なにやら宗教的に受け取るかもしれないが、私たちの誰もが少なくとも一度は「自分は何のために生まれてきたのだろう?」と考えたことがあるものだ。

実際あなたも、過去に自分の生まれた意味、何をするために生まれたのか、自問したことがあるのではないだろうか。

ジャーナリストでありフロー状態の専門家であるスティーブ・コトラーによると、生命の危険と隣り合わせのスポーツ(「エクストリーム・スポーツ」と呼ぶ)であるスカイダイビングやロッククライミング、サーフィンのトップ選手が、超人的なことを成し遂げているとき、彼らはフロー状態になっていると言っている。

興味深いのは、そのフロー状態に入ったアスリートたちが共通して証言しているのが「対象との一体感」だ。

例えば、サーファーであれば波と1つになるとか、弓道であれば弓道家がねらう的と1つになる、登山家が山の岩と1つになる、剣術家が敵と1つになる等といった感覚である。

むろん物理的に2つのものが1つになるわけではなく、感覚ですから意識の中で対象と同化することを意味するのではあるが。

 これらの証言が事実だとすれば、どうやらフロー状態では意識が拡張し、1つの身体に収まった「自我」を超越すると思われる。

なぜ、私がこの「対象との一体化」に関心を持ったかというと。

その証言をしたアスリートたちは、意識の一体化を感じている時に「生きている実感」「生きることの意味」をはっきりと認識すると言っているからだ。

生命を失うかもしれない危険を顧みず、挑戦し続けるそうしたアスリートたちにとって、自分が生きている意味=存在意義を実感することは、自分の命をかけるに値すると言っているのだ。

このようにフロー状態に入る秘訣には、価値観がその鍵であり、その中でも価値観の究極として「自分の存在価値、存在理由」をもとめる人生の目的=天命がある

逆に、天命(自分が本当にやるべきこと)に生きていない限り、フロー状態に入ることは難しい。

それはつまり、自分の本当の力を知らずに一生を終えることになるということです。

次回は、フロー状態と「意識」の関係について考察をレポートしたい。


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