奇跡の経営の実践法(1)

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それでは、これからいよいよ奇跡の経営を実践する方法について説明しよう。



まずは「一週間毎日が週末発想」について、どうすれば会社で働くことが、まるで休暇のように心がワクワクするような楽しいものになるのだろう。



前回のレポートでは、「働く人の最高価値観と仕事がリンクしている」ことだと申し上げた。  

は、誰しも価値観を持っている。ただし、ここで言うところの価値観とは、宗教や道徳が教えている正しい生き方を諭した概念のことではない。



そうした正しい生き方の概念とは、例えば、愛しなさいとか正直、誠実、親切、公正、寛容、真面目でいる、といったものである。  

教育や社会のさまざまなところで、こうしたことが正しい価値観であるかのように教えられて私たちは育つ。

しかし、考えてみて欲しい。正直でいることをしようとして、あなたは心がワクワクするだろうか?それをして楽しいだろうか?正直なことをするのを待ち遠しく思うだろうか?   答えは否である。  

こうした正しい生き方を説いた概念は、私たちの内にある思いを解放してのびのびとさせてはくれない。むしろ、抑圧する働きを持つ。しかも、正直でいようとしても、人は常に正直でいることはできない。

常に誰もを、愛することはできない。

常にどんなことについても寛容に受け容れることはできない。

常に正直でいられるわけではない。

常に誠実に全力で対応できるものでもない。

そうしたことを完璧にできるのは聖人ぐらいのものだろう。 言い換えるならば、 道徳や宗教は、聖人になることを教えていると言ってもよい。

ただし、だからといって道徳や宗教が間違っているとは言わない。

でも、このことだけは認識して欲しい。道徳で教えている価値観に従おうとするとき、それを完璧にできない私たちは、それが故に自分のことを、恥ずかしく思ったり、懺悔したり、ときには怒りを覚えてしまうということを。

 つまり、正しいとされる価値観に沿って生きようとすると、多くの場合、私たちはそれができない自分を認識する。だから途中で挫折し、自分を懺悔し、過小評価することになる。  

また、こうも言える。そうした正しいとされる、決まった定型の価値観を目指すのは、まるで誰もが同じ人になることを教えていることにならないだろうか?

私たちは、本来誰もがユニークな存在であり、ユニークだからこそ、この世に存在する価値があるのだ。同じ定型の人格の人になるのは、私たちがユニークであり、自分らしく生きることに矛盾する。

さて、では私たちが奇跡の経営の実現のための鍵としている「価値観」とは何か?

道徳的、宗教的な正しい生き方の概念とはどう異なるのか?  

奇跡の経営を実現するための鍵としている「価値観」の定義は、それが私たちの行動を促すドライビング・フォース(動機)となるもののことだ。

その価値観に生きることに、心からワクワクを感じる。

その価値観に沿ったことをすることが待ち遠しく、それをすることが楽しい、時間を忘れて取り組んでしまうし、それをしていると疲れない。

いや、むしろ取り組む前と後とでは、後の方が元氣になっているほどのものだ。

それから価値観は、私たちの認識、判断(意思決定)、行動の基準となるものだ。

実は、既に私たちは、そうした自分の価値観にしたがって生きているのである。

自分の人生において、自分が確認できている選択肢のオプションの中から、もっとも自分の最高価値を満たすものを選んで行動しているのだ。

今のあなたの人生は、そうしてあなたが自身の価値観により合致したものを選択した結果なのである。

ということは、自分の価値観を知る手がかりは、現在の自分の人生に現れている状況をつぶさに観察すれば自ずとわかるということでもある。

 

上図には、私たちの人生でとっている13の行動が、自分の価値観に基づいていることを示してある。

この13の視点から、価値観を見つけていく手法を「バリュー・ディターミネーション」と呼ぶ。このバリュー・ディターミネーションの具体的な取り組み方については、下のレポートに詳しいので、まだレポートを読んでいない方は、下のフォームからダウンロード(無料)するといいだろう。

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さて、こうして実際に私たちがとっている13の行動から自分の価値観を明らかにしたら、つぎはいよいよ「一週間毎日が週末」の状態にするための「自分の価値観と仕事をリンクする」プロセスだ。

そこで準備することは、あなたにとって「会社の仕事」が意味すること、具体的には、あなたが会社で働くことに影響している要因について、それを具体的にリストアップする。

例に挙げると:

– 会社の企業理念
– 現経営者の長期目標
– 現経営者の価値観
– 所属する部/課の年次目標
– 所属する部/課長の仕事に対する価値観
– 所属する部/課長の自分に対する期待
– 自分の担当業務における責務
– 自分の担当業務におけるタスク
– 自分が関係する部署の目的/目標
– 自分がサービスを提供する相手(顧客)の価値観
– 自分が関係する人達とその価値観

目標や理念など公に明示されているものは、容易にリストアップできるが、実際に相手に尋ねないとわからないものもある。それらは、できるだけ会って情報収集することが望ましい。それができない場合は、その相手とのこれまでの関係やコミュニケーションを観察することによって、明らかにすることだ。
また人物の価値観については、自分の価値観を明らかにしたようにレポートにあるバリュー・ディターミネーションの13の質問を使って、相手を価値観を明らかにする。

こうして明らかになった企業理念や事業部の目標、それから社員が担当する業務と社員の価値観を結びつけるのだ。

それはつまり、社員からすれば自分の担当業務が実は自分が本当に望んでいること(価値観の実現)に役立っていることを認識することを意味する。これができれば、自分の今の仕事が天職であるという認識に変わることができるのだ。

それは企業理念と自分の最高価値をリンクする、自分の業務と最高価値をリンクするというワークになる。

例えば、こんな感じだ。

要するに、社員にとって会社を意味するモノが、どれだけ自分の最高価値を実現することに役立っているかを認識することができれば、社員にとって会社の仕事の意味が大きく変わるのだ。

会社の理念や経営者の価値観、業務が、自分の最高価値と結びつけばつくほど、社員にとって会社の仕事は、やりがいのあるものになる。
そして、やりがいを感じることができるとやる気が向上する。

そして、仕事が自分の最高価値と最高度に結びつくと、仕事はもはや自分とは切り離せない生きがいとなる。

このとき、職場は社員にとって、もっとも自分らしくいられ、リラックスでき、楽しく、活力が溢れ出てくる場となるのだ。

このように「一週間毎日が週末」は、仕事と社員の最高価値が結びつくことで実現できるのである。

さて、つぎは「社員は大人である。だから監督/管理は不要」についてだが、これは、次のレポートをご覧頂きたい。

岩元貴久





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